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環境地質研究部会

1.概要

(1)設立の背景と目的

 環境地質研究部会は、今日の社会情勢を鑑み、平成24年度に新規の常設部会として発足した。そもそも環境地質学の受け持つ分野は広く、地質と環境に関連した様々な事象を扱っている。この際、人が環境や地質に対し、どのように係わっていくべきかを論じる視点が重要である。
 近年、自然災害が増加し、しかも甚大化していることが大きな問題となっている。これらの自然災害から命を守る仕組みや、維持管理技術の構築を含め、人や環境を守っていくことが環境地質の大きなテーマである。地質や地盤に係わる環境の保全に関しても、関心は高まるばかりで、地盤汚染や地下水汚染の問題を始め、多くの相談が市民から寄せられている。これらを解決する方策を提示するのも環境地質のテーマである。また、エネルギーや水資源の問題、生物多様性や地生態系の保全や地球環境全般の大きな課題もあり研究領域は広い。さらに、ジオパークや地質百選のように地質のすばらしいところを積極的に説明する必要性も高まりつつある。今回、これらのテーマをまとめ、環境地質学を研究し、これらの成果を、会員に還元するのはもちろんのこと、市民へアウトリーチすることも大きな活動目的である。

(2)研究対象と方針(成果の目標)

研究対象

a) 地盤汚染・地下水汚染(自然由来・放射能などを含む)
b) 廃棄物管理と地質(災害廃棄物を含む)
c) エネルギー問題(自然エネルギーなど)
d) 地球環境問題(地球温暖化・生物多様性・土壌劣化・砂漠化など)
e) 資源と地質(水資源・鉱物資源・都市鉱山など)
f) 開発と環境保全(公害・環境アセス・地盤の熱問題)
g) 維持管理と地質
h) 人間・生活環境と地質
i) 防災と環境保全の共生
j) 応用地生態
k) その他環境地質学に関すること

活動方針(成果の目標)

a) 研究部会は2~3か月に1回の頻度で開催する
b) 研究部会での話題提供とWG部会の活動
c) 現地巡検
d) 講習会や市民セミナーの開催。特に、環境地質は市民に近い分野であり、広く市民にアウトリーチする
e) 学会誌での講座掲載、シンポジウムの主催や書籍出版

2.構成メンバー

幹事等

舩山淳(パシフィックコンサルタンツ)

副部会長

竹村貴人(日本大学)

幹事

堀信雄(日さく)、大谷晃(八千代エンジニヤリング)

委員

池見洋明(九州大学)、磯部有作(ホームページ担当:IMAGEi Consultant)宇佐美光宣(大日本ダイヤコンサルタント)、太田岳洋(山口大学)、菅野萌子(早稲田大学)、清崎淳子(クロスエンジニアリング)、佐伯佳美(ダイエーコンサルタント)、塩崎功(エンジニアリング協会)、島村雅英(よこはま里山研究所)、福田徹也(ニュージェック)、山本晃(八千代エンジニヤリング)

顧問

稲垣秀輝(環境地質)

3.研究活動

(1)ワーキンググループ(現在、以下4つのワーキンググループで活動実施中)

WG-A ジオ・メリット研究グループ

地域の地質の恩恵や防災上の留意点について、一般市民への啓発活動や地域産業等への貢献に関する研究を行う。人の生活や活動の土台としての地質については、昨今土砂災害等の地質に関連する災害への対応が急務となっているが、反面地質の恩恵も様々な場面で受けていることも事実である。当研究部会では、これを「ジオ・メリット」(新語)と称して、学会員に向けて発信している。

WG-B 人工構造物研究グループ

道路等のインフラや盛土等の人工地層に影響を及ぼす地質条件に関する研究を行う。

WG-C 自然環境研究グループ

自然環境を活用した応用地質技術に関する研究を行う。

WG-D 再生可能エネルギー研究グループ

再生可能エネルギーについて、応用地質分野とかかわりのある事項について研究を行う。

(2)学会誌連載

①「ジオ・メリット」連載

第1回 連載を始めるにあたって 2014 4月号
第2回 宮水 2014 6月号
第3回 ワインと地質 2014 8月号
第4回 神奈川のジオ・メリット 2014 10月号
第5回 福岡のジオリスクとジオ・メリット 2014 10月号
第6回 日本酒の味わいと地質の関係の一考察 2014 12月号
第7回 芋焼酎はシラス台地からの贈り物 2014 12月号
第8回 芋焼酎を美味しく飲むために 2014 12月号
第9回 地質に関連した天然記念物について 2015 2月号
第10回 レアアース 2015 2月号
第11回 温泉の恵みと利用 2015 4月号
第12回 ジオブランド 2015 4月号
第13回 城は石垣 2015 6月号
第14回 地球からの贈り物~いろいろな鉱物~ 2015 6月号
第15回 道路はどのような地形・地質に作られたか 2015 8月号
第16回 ジオ鉄で行こう 2015 8月号
第17回 マサ土の利用 2015 10月号
第18回 地熱の利活用 2015 10月号
第19回 サヌカイト‐世界で唯一楽器になった讃岐の石 2015 12月号
第20回 奇岩怪石への文化地質学的アプローチ 2015 12月号
第21回 地下水・ビール 2016 2月号
第22回 天然砥石(1) 2016 2月号
第23回 万成石 2016 4月号
第24回 イタイイタイ病での土壌改良とジオ・メリット 2016 6月号
第25回 やきものの陶土の話 2016 6月号
第26回 滝はどうして出来るのか 2016 8月号
第27回 中国のジオパークとヤルダン地形 2016 8月号
第28回 CCSって何 2016 10月号
第29回 地中熱の利用 2016 10月号
第30回 自然災害を題材とした小説 2016 12月号
第31回 地下空間利用の温故知新 2016 12月号
第32回 古墳の石材 2017 2月号
第33回 絵画(画材)と地質 2017 2月号
第34回 風力エネルギーのジオ・メリット 2017 4月号
第35回 地質の時間と歴史の時間 2017 4月号
第36回 地下水を得る話 2017 6月号
第37回 讃岐平野の扇状地の弱みを強みに変えた讃岐うどん 2017 6月号
第38回 国内地下ダム開発の現況 2017 8月号
第39回 芭蕉の『おくのほそ道』と地質学 2017 8月号 58 3
第40回 応用地生態学のすすめ 2017 10月号
第41回 アファンの森と地形・地質 2017 10月号
第42回 空からみたジオ・メリット 2017 12月号
第43回 石碑の岩石学 2017 12月号
第44回 日本刀の美を支えるジオ 2018 2月号
第45回 地質材料:天然砥石(2) 2018 2月号
第46回 世界遺産知床半島の地質と地形 2018 4月号 59 1
第47回 日本の地質構造と生物多様性 2018 4月号
第48回 泥炭のはなし 2018 6月号
第49回 鉄穴流しとたたら場そして天井川と砂州 2018 6月号
第50回 モンゴル高原の自然環境と土地利用 2018 8月号
第51回 連載を終わるにあたって 2018 8月号

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②再生可能エネルギー連載

1) 舩山 淳・稲垣秀輝(2019):「再生可能エネルギー」を連載するにあたって,応用地質,Vol. 60,No.1,pp.20-21.
2) 本多孝安(2019):苫小牧における大規模CCS実証試験,応用地質,Vol. 60,No.1,pp.22-26.
3) 竹村貴人(2019):地中熱利用,応用地質,Vol. 60,No.2,pp.69-71.
4) 塩﨑 功(2019):日本の地熱発電開発,応用地質,Vol. 60,No.3,pp.120-124.
5) 清﨑淳子(2019):地熱資源とその利用,応用地質,Vol. 60,No. 4,pp.180-183.
6) 大谷 晃(2020):日本の太陽光発電,応用地質,第61巻,第1号,pp.2-8.
7) 中川加明一郎(2021):電力貯蔵-圧縮空気エネルギー貯蔵-,応用地質,Vol.62,No.1,pp.23-29.
8) 舩山 淳(2021):風力発電と地形・地質(その1:概要および洋上風力発電),応用地質,第62巻,第1号,pp.30-34.
9) 佐伯佳美(2021):風力発電と地形・地質(その2:陸上風力発電),応用地質,第62巻,第4号,pp.244-250.
10)舩山 淳(2021):再生可能エネルギーの地産地消と応用地質―温泉熱利用―,応用地質,第62巻,第5号,pp.316-320.
11)大谷 晃(2022):バイオマスに関する再生可能エネルギー,応用地質,第63巻,第3号,pp.1-8.
12)舩山 淳・磯部有作(2023):海洋エネルギーを利用した発電技術と応用地質,応用地質,第64巻,第1 号,pp. 18-33.
13)堀 信雄・大谷 晃(2025):中小水力発電の立地の実態と地形地質,応用地質,第66巻,第1号,pp.2-10.
14)舩山 淳・竹村貴人・大谷 晃・堀 信雄・塩﨑 功・清﨑淳子・佐伯佳美・磯部有作・太田岳洋・宇佐美光宣・稲垣 秀輝(2025):再生可能エネルギーと応用地質,応用地質,第66巻,第2号,(投稿中)

15) 舩山 淳・稲垣秀輝(2025):「再生可能エネルギー」連載シリーズを終えるにあたって,応用地質,Vol. 66,No.2,(投稿中)

(3)シンポジウム

令和4年6月17日 令和4 年度 日本応用地質学会シンポジウム「気候変動対策と応用地質」会場:貸会議室「内海」(千代田区)・オンラインのハイブリッド方式

(4)外部発表論文

1) 舩山 淳(2016):日本酒の味わいと地質の関係の一考察,日本醸造協会誌,Vol.111,No.12,pp.801-807.


2) 稲垣秀輝(2017):特集お酒と土木 総説酒どころの地形・地質と地下水,土木技術資料,Vol. 72,No.1,pp.9-14.

4.アウトリーチ活動

(1)講師派遣

川崎市公園緑地協会講師派遣「地層で知るかわさき・里山」、「豊かな緑は山を守る?」(令和元年11月16日)

(2)市民フォーラム

市民フォーラム2018in埼玉(平成30年6月2日)


市民フォーラム2017in仙台(平成29年6月3日)


市民フォーラム2016in大阪(平成28年5月28日)


市民フォーラム2015in岡山(平成27年7月25日)


市民フォーラム2014in福岡(平成26年5月17日)


市民フォーラム2013in横浜(平成25年5月11日)

5. 委員会活動記録

  • 令和7年度:2025年4月16日
  • 令和6年度:2025年2月4日、2024年12月04日、10月02日、8月07日、6月05日、4月16日
  • 令和5年度:2024年2月7日、2023年12月06日、09月27日、7月31日、5月31日、4月13日
  • 令和4年度:2023年2月9日、2022年12月12日、10月07日、8月29日、6月03日、4月8日
  • 令和3年度:2022年2月4日、2021年12月03日、10月22日、8月27日、6月25日、4月15日
  • 令和2年度:2021年1月29日、2020年、11月13日、9月18日、7月31日
  • 令和元年度:2020年2月17日、2019年12月09日、10月09日、8月21日、6月19日、4月19日
  • 平成30年度:2019年2月15日、2018年12月07日、10月13日、8月24日、6月18日、4月26日
  • 平成29年度:2018年2月26日、2017年12月11日、10月23日、8月21日、6月12日、4月10日
  • 平成28年度:2017年2月13日、2016年12月12日、10月17日、8月22日、6月20日、4月18日
  • 平成27年度:2016年2月15日、2015年12月14日、10月14日、8月04日、6月08日、4月13日
  • 平成26年度:2015年2月09日、2014年12月08日、10月20日、8月18日、6月16日、4月14日
  • 平成25年度:2014年2月17日、2013年12月16日、10月07日、8月05日、6月03日、4月08日
  • 平成24年度:2013年1月28日、2012年11月12日、9月14日、7月20日、5月21日