日本応用地質学会

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令和2年度 応用地質フォトコンテスト 審査結果

 応用地質フォトコンテストは,写真を通じて学会のイメージを浸透させ,学会内ならびに社会に対して活動内容を発信するために開催しています.今回のフォトコンテストは,広く学会員以外の応募を狙い,特にテーマは設けず公開コンテストサイトを用いて行いました.その効果もあり,応募人数66名(136作品)と例年の10倍以上の応募作品が寄せられました.この中から,厳正な審査の結果,最優秀賞1点(賞金2万円),優秀賞2点(賞金1万円),入選5点(賞金5千円),学生賞1点(図書カード5千円)が選ばれましたので報告いたします.

令和2年度応用地質フォトコンテスト 受賞作品

 最優秀賞 『大迫力の現役素掘りトンネル』 糸賀一典(千葉県)

撮影地 千葉県富津市 燈籠坂トンネル
カメラ Nikon D5600
撮影者コメント
かつて上部2割程度の小口径の素掘りトンネルであったが,そのトンネルを掘り下げ,大経口の素掘りトンネルなった.現在は迫力満点の名所にもなった,現役の素掘りトンネル.

 優秀賞 『阿蘇の復興と「あそぼーい」』 本村隆之(熊本県)

撮影地 熊本県南阿蘇村
カメラ DJI PHANTOM 4(動画のキャプチャ)
撮影者コメント
平成28年熊本地震により,阿蘇大橋地区では国道57号やJR豊肥本線,阿蘇大橋などが流失する大規模な斜面崩壊が発生した.斜面対策工の完了に伴って鉄道・道路が復旧し,特急「あそぼーい!」が疾走する.

 優秀賞 『地球はデコボコ』 金子亨平(静岡県)

撮影地 台湾花蓮県
カメラ Canon Kiss X5
撮影者コメント
台湾花蓮県タロコ渓谷.場所,時間帯で違う表情を見せています.ここは地球が丸い事を忘れそうな程,地球の圧倒的な力と美しさを感じられる大好きな場所です.

 入選 『由良山の採石場の断崖』 永正千里(香川県)

撮影地 香川県高松市由良町 由良山
カメラ Canon PowerShot SX720 HS
撮影者コメント
高松市の由良山は,江戸時代から良質な石材が採掘され,皇居などに使用されたものの,20世紀の終わりに歴史を閉じた.地質は柱状節理で,第三紀に噴出した岩脈上の黒雲母安山岩からなる.採掘跡の断崖は芸術的だ.

 入選 『鵜戸神宮に太古から在り続ける「運玉」』 武田理咲(山形県)

撮影地 宮崎県日南市 鵜戸神宮付近
カメラ OLYMPUS PEN Lite E-PL6
レンズ ZUIKO 14-42mm
撮影者コメント
鵜戸神宮周辺には海底に沈んだ生物の死骸が固まってできるコンクリーションを地層の断片から見ることができる.この宮では『運玉」なる玉を岩場になげ祈願するが,太古から『運玉」がここには存在している.

 入選 『ブナ林を守る自然工法』 林 昌尚(福井県)

撮影地 福井県今立郡池田町
カメラ Canon EOS 6D Mark II
レンズ EF100mm f/2.8L MACRO IS USM
撮影者コメント
間伐材を利用した堰堤です.晩秋木々の葉が落ちるとその全体像が見えてきますが,普段は見事に自然の風景の中に溶け込んでしまいます.

 入選 『地すべりの側方崖を規制する断層とその破砕帯』 横山 修(兵庫県)

撮影地 石川県白山市
撮影者コメント
地すべり調査中に発見した断層露頭.治山工事に伴い表土が剝がされ,見事な破砕帯を観察できる.その後,埋戻しにより現在は観察できない.地すべりの側方崖を規制している断層と考えられた.

 入選 『記憶のリレー』 金子敦志(福島県)

撮影地 岩手県 一関市 祭畤付近
カメラ 富士フィルム XM-1
撮影者コメント
岩手・宮城内陸地震によって破壊された祭畤大橋が震災の遺構として,現在も残されている.遺構が淡い水色の川面の美しさとなぜか調和して少し悲しい気持ちになりました.

 学生賞 『流転』 河井佑太(新潟県)

撮影地 新潟県十日町市付近
カメラ Canon EOS Kiss X9i
レンズ EF-S 18-55mm F4-5.6 IS STM
撮影者コメント
方丈記には「ゆく河の流れは絶えずして,しかももとの水にあらず」とあり,常に同じものは無いという意味です.つまり,水も地形も時間とともに変化し続けるのです.そんな思いを込めてこのタイトルをつけました.

平成30年度 第3回応用地質フォトコンテスト「地質に起因する自然災害」

 最優秀賞 『地震を乗り越えて』 竹中京一(熊本県)

撮影地 熊本県阿蘇市
カメラ Canon EOS 7D
レンズ TAMRON 16-300mm
撮影者コメント
地震を乗り越えて,復興へ.
審査員コメント
地震による崩壊斜面を,縦の構図で捉えることによって,遠くまで延々と続く悲惨な被害状況がよく表現されています。その中で,既に平穏を取り戻したように,一頭の牛が草を食んでいる対照的な画がとても好印象な作品であります.

 優秀賞 『斜面崩壊とダム』 片山直樹(島根県)

撮影地 島根県出雲市佐田町上橋波
カメラ DJI Phantom4 FC330
撮影者コメント
H30年4月9日の島根県西部地震で発生した斜面崩壊により,河川の大部分が閉塞しややダムアップしており,上流の治水ダムの存在が対照的です.崩壊斜面は古第三紀の流紋岩よりなる尾根先端の急斜面です.

 優秀賞 『大規模地滑り』 藤利充宏(山口県)

撮影地 奈良県川上村迫
撮影者コメント
平成23年台風12号の影響で,奈良県の山間部は多くの場所で地滑りがありました.迫地区の地滑りは民家の近くで発生したもので,大滝ダムの水位上昇に伴うものとは別のものでした.

 入選 『守る人』 石濱茂崇(東京都)

撮影地 長野県軽井沢町
カメラ SONY DSC-HX5V
撮影者コメント
路線バスが走る道路斜面は,過去に崩落を起こし,蛇篭工が施工されている.今後も崩落が発生する恐れがあることから,目視による点検を行い,道路の安全を守っている.

 学生賞 『宙に浮くお城』 田中杏実

撮影地 熊本県熊本市
カメラ iPhone 8
審査員コメント
熊本城の石垣の崩壊は記憶に新しい災害です.この写真は,ジャッキアップしながらの復旧作業の様子を,メルヘンな感覚をもって捉えてくれたとても楽しい写真です.感性が変われば,現場もいろいろな見え方がするものなのだなと感心した作品でした.


平成29年度 第2回応用地質フォトコンテスト「自然と人間活動との関わり」

 優秀賞 『OHYA UNDERGROUND』 長谷川 怜思(東京都)

撮影地 栃木県宇都宮市大谷地区
カメラ Nikon D700
レンズ コシナ ZEISS Distagon T* 2/25
撮影者コメント
かつて石材業で栄えた栃木県大谷地区は,産業衰退や陥没問題から坑道が負の遺産として語り継がれてきた.負の遺産を資源にと発想を変えた現在は,未利用熱や地下空間の観光活用を軸に地域振興が進められている.

 優秀賞 『付加体メランジュ堆積物に向かう』 宇田川義夫(千葉県)

撮影地 大阪府
カメラ ドローン掲載のCCDカメラ
撮影者コメント
トンネル上り線,下り線共に貫通し,トンネル坑口上部の超丹波帯(付加体)の大規模地滑り対策工を実施中である.

平成28年度 第1回応用地質フォトコンテスト「大地と人間活動との関わり」受賞作品

 優秀賞 『断層谷の秋』 小笠原 洋(広島県)

撮影地 広島県山県郡北広島町戸谷鶉木(うずらき)
カメラ Canon IXY Digital 500
撮影者コメント
ここ鶉木の集落では,50km を超える筒賀断層の断層谷が一望できます.また断層による湧水が多いのか,たくさんの水田があります.大地の恵みを享受する人の営みと絶景を,ここで味わうことができます.

 入選 『みのり多き地すべり』 橋本 智雄(宮城県)

撮影地 山形県最上郡大蔵村 豊牧地すべり
撮影者コメント
この棚田は地域の人達が古くから地すべりと向き合い暮らしてきた証.今年もまたみのりの時期を迎えました.