日本応用地質学会東北支部 JSEG TOHOKU
 

 一般社団法人日本応用地質学会 東北支部
 令和8年7月15日(水)に第32回支部研究発表会が無事終了いたしました。
本年も昨年同様にオンラインとのハイブリッド形式で実施いたしました。
 参加者は、会場:41名、WEB:19名で合計60名と多くの参加をいただきました。


 当日の発表プログラムはこちらからご確認ください。
午前の部は若手中心で5編の発表がありました。
 1編目は北海道日高地方における中新統層序を波恵川沿い露頭観察と放散虫化石分析により堆積年代に関する研究発表でした。
 2編目は火山ガラス冷却時に発生する応力縞から、岩石中に存在する残留応力を推定するという研究でした。
 3編目は下北半島、蒲野沢層中に見られる火山灰中のアパタイト組成から中新世に形成された熊野カルデラ由来であるとする研究成果の発表でした。
 4編目は熊本地震で地表地震断層が確認されなかった北東延長部におけるトレンチ調査から、断層変形が繰り返されていることが判明したという研究でした。
 5編目はハイパースペクトルカメラでボーリングコア画像を高精細に分類ことにより岩盤の風化度が明らかになるという研究発表でした。

 
午後の部は自由テーマで5編の発表がありました。
 6編目は都市部で発生する地震災害リスク評価には、地形発達過程や堆積環境を地質的な思考から判断する必要があり、判断できるような教育実施が重要という指摘でした。
 7編目は50万年前以降のホモサピエンスの進化系統と沖縄港川人を含む極東地域での起源に関する発表でした。
 8編目は活断層帯で大地震が発生する場合は近傍の断層でドミノ倒しのように地震が連鎖することが多いため、中長期の地震予測の可能性があるという発表でした。
 9編目は仙台市内を流れる広瀬川両岸に分布する放山・青葉山地すべりの地質特性と地すべり活動リスクに関する発表でした。
 10編目は青森県内に分布する自然災害伝承碑の紹介と、発生する災害を予測し備えることの重要性について紹介いただきました。
 
 特別講演は「鳥海山の火山活動と火山防災」と題して、秋田大学大学院国際資源学研究科教授 大場司氏に講演していただきました。
 大場教授によれば、鳥海山は約70万年前から溶岩噴火を繰り返し形成された活火山であり、約2500年前にはカルデラ形成とともに岩なだれが発生し、にかほ市方面へ流出し現在の平地の原型を形成したとのことでした。
 近年の活動では871年、1801年、1974年の噴火記録があり、火山泥流が発生し川沿いに流下したということでした。火口付近の堆積物調査では871年・火山泥流を915年の広域テフラである十和田a火山灰(To-a)に覆われているとのことでした。
 また、想定される火山災害は火山泥流によるもので、これまでの噴火堆積物が二次的に流出するものが主体となるとのことでした。
火山防災としては行政とも連携しながら、噴火シナリオを防災訓練に反映させ、課題を抽出しながらPDCAサイクルで随時改善していくということが紹介されました。
 講演後は多数の質疑応答がなされ、鳥海山について理解を深める大変良い機会になりました。
 
 
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