日本応用地質学会東北支部 JSEG TOHOKU
 

 一般社団法人日本応用地質学会 東北支部

 去る令和8年5月15日(金)、令和8年度応用地質学会東北支部総会および特別講演・討論会が無事終了いたしました。
 今回も昨年と同様、会場だけでなくウェブ配信を併用したハイブリッド開催としました。

 総会は定刻通り開会し、会場参加:36名、オンライン参加:9名(有効委任状:43名)の合計87名で、「日本応用地質学会東北支部規定」第15条の正会員(支部会員数名144名(賛助会員31社)[令和8年4月末日現在])の5分の1以上の出席となり、本総会は成立いたしました。
 参加していただいた皆様のご協力により、総会は滞りなく進行し、下記の項目について承認されました。

       ①令和7年度活動報告
       ②令和7年度会計報告
       ③監査報告
       ④令和8年度活動計画(案)
       ⑤令和8年度会計予算(案)
       ⑥令和8年度支部役員人事(案)


 本年度は、現地研修会を掘削の始まった鳥海ダムを計画しております。また、技術講習会として地質の見かたをテーマとした若手技術者講習会も計画しております。詳細が決まり次第支部ホームページ等でご案内いたします。



 特別講演は、熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター特任准教授の鳥井真之氏を迎え、「熊本地震10年~被害と復興、そして未来へ~」と題し、熊本地震(2016年4月)から10年を迎えるにあたり、被災状況や復興の歩み、さらに今後のリスクコミュニケーションのあり方についてご講演いただきました。
 まず、熊本地震の被災状況については、地震の概要に加え、阿蘇地域で進められてきた火山灰の詳細な研究成果が紹介されました。これらの成果により「断層トレンチ調査」の解像度が大きく向上したこと、またアースフローの発生メカニズムについても解説がありました。アースフローは阿蘇特有の現象ではなく、火山周辺では一般的に見られるものであり、他地域の地震活動の解析にも応用可能であるとの指摘が印象的でした。
 続いて、研究成果の社会へのフィードバックやアウトリーチ活動について触れられました。震災前は、地域住民にとって地震や断層の話題が「現実味を持ちにくい」ものであったため、研究内容が十分に伝わらなかったという課題があったそうです。その反省を踏まえ、震災後には伝え方の工夫や地域との関わり方を見直し、防災・まちづくりに具体的に役立つ助言や提言を行ってきた取り組みが紹介されました。
 一方で、震災から10年が経過した現在、震災の記憶が徐々に風化しつつある中で、どのように活動を継続していくか模索しているとのことでした。その中で、サイエンスカフェのような対話型アウトリーチや、ジオガイド育成を通じた啓発活動など、新たな取り組みが紹介され、今後の地域防災に向けた継続的な関わりの重要性が強調されました。
(会場参加:41名、WEB参加:21名)


左:特別講演をする鳥井氏、右:司会の村上代表幹事と遠田支部長


 討論会は、3つの話題提供をしていただきました。
 1つ目は、遠田支部長から「熊本地震による応力伝播と地震活動変化、特に日奈久断層帯への影響について」というタイトルで布田川断層の活動(熊本地震本震)による周辺の活断層について影響について解説いただきました。その中で、10年たっても日奈久断層周辺の活動度が依然として高いことが示されました。
 2つ目は、高見顧問から「阿蘇大橋の復旧事例に学ぶ」と題して、断層帯を跨いで建設された阿蘇大橋の復旧状況やその周辺の断層の状況・地質状況について解説され、リスクマネジメントのあり方、断層変位をどこまで許容するか、断層の位置予測することなどについて問題提起しました。
 3つ目は、村上代表幹事から「東北支部熊本調査団、調査箇所の復旧と今後」と題して、2017年5月28日~6月1日で東北支部として実施した調査団の当時を振り返りつつ、現在の復旧状況を解説いただきました。
 話題提供後の討論会では、これらの話題提供および特別講演の内容を踏まえた質問や議論を展開しました。仮設住宅に関して能登地震との違いに関すること、リスク評価・活断層評価について防災への昇華などについて議論がありました。
(会場参加:41名、WEB参加:18名)

話題提供者、左上:遠田支部長、右上:高見顧問、左下:村上代表幹事、右下:鳥越幹事(司会)


閉会の挨拶をする菖蒲副支部長


 

 討論会終了後は会場を「レトロバックページ」に移し、意見交換会を行いました。参加者は26名。特別講演をしていただいた鳥井先生にもご参加いただき、講演内容や研究成果についての話で盛り上がりました。最後は「伊達の一本締め」でお開きとしました。
 総会~特別講演・討論会~意見交換会とご参加下さった皆様、誠にありがとうございました。
 

*************  お問い合わせ先  *************** 

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        〒983-0043 仙台市宮城野区萩野町3-21-2
             応用地質㈱東北支社内 (事務局担当:菅野、石川)
           TEL:022-237-0471 FAX:022-283-1801
           E-mail:tohoku@jseg.or.jp
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