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一般社団法人日本応用地質学会 東北支部 | ||
去る令和7年5月16日(金)、令和7年度応用地質学会東北支部総会および特別講演・討論会が無事終了いたしました。 今回も昨年と同様、会場だけでなくウェブ配信を併用したハイブリッド開催としました。 |
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総会は定刻通り開会し、会場参加:23名、オンライン参加:10名(有効委任状:56名)の合計89名で、「日本応用地質学会東北支部規定」第15条の正会員(支部会員数名151名(賛助会員33社)[令和7年4月末日現在])の5分の1以上の出席となり、本総会は成立いたしました。 参加していただいた皆様のご協力により、総会は滞りなく進行し、下記の項目について承認されました。 ①令和6年度活動報告 ②令和6年度会計報告 ③監査報告 ④令和7年度活動計画(案) ⑤令和7年度会計予算(案) ⑥令和7年度支部役員人事(案)交代役員のみ 昨年は、現地研修会が中止となるなど反省点もありました。本年度は期待にこたえられるような現地見学会を計画したいと思いますので、是非御参加ください。また、昨年同様にジオさんぽ仙台も計画しております。よろしくお願いいたします。 ![]() |
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特別講演は、気象庁仙台管区気象台気象防災部の森下秀昭氏、村上誠一氏の2名を迎え、2部構成で講演していただきました。 「気候変動と近年の異常気象」と題した森下氏の講演では、過去100年(アメダス導入以前からある観測箇所)または30年(アメダス導入以降)の気象データからみた気温、降水量の長期変化を解説していただきました。観測データによれば、近年の平均気温の上昇は明らかであり、さらに海面水温の上昇も続いているとのことです。しかし、近年の台風、豪雨災害が増加しているため感覚的には降水量が増加していると思いがちですが、東北地方では年平均で見ると長期の変化はほとんどないそうです。その理由として、晴れの日の増加、短期間の豪雨に特徴づけられる気象の変化が挙げられるとのこと。 「防災気象情報の利活用」と題した村上氏の講演では、宮城県内で発生した豪雨災害の例(2015年台風18号、2019年台風19号など)を挙げ、近年の気温上昇による台風の巨大化に対する懸念を示しました。しかし、全国1300箇所のアメダスや気象レーダー、気象衛星「ひまわり」、高層気象観測などの観測網の発達により、台風の進路や規模などの予測が可能となってきているため、気象庁の発表する気象情報を注視し、避難行動に反映させてほしいと仰っていました。また、局所的な気象現象である雷や線状降水帯の予測はまだ難しいとのこと。 日本の気候変動2025(気象庁のホームページリンク)参照 熱中症対策や雷、豪雨など普段の業務においても気象情報が重要となっているなかで、気象情報については我々もさらに気を付けていかなけらばならないと改めて考えさせられました。 (会場参加:27名、WEB参加:12名) ![]() 写真右上:森下氏、写真右下:村上氏 写真左上:司会の村上代表幹事 |
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討論会は、2つの話題提供をしていただきました。 1つ目は、大曾根啓介氏(応用地質株式会社技術本部)から「令和6年能登半島地震と能登半島豪雨」と題して、2024年9月に能登半島での豪雨災害に焦点をあてた内容でした。大曾根氏が現地で体験した豪雨の状況やその後の生々しい被災状況を説明していただきました。復興途中にあった能登地域を襲った災害で、さらなる復興の遅れが懸念されるとのことです。また、能登地震で滑動した地すべりが今回の豪雨であまり変化がなく、それ以外のところで土砂流出や崩壊などが発生したという事実は興味深かったです。 2つ目は、村上代表幹事から「東北地方の豪雨災害と地質の関係」と題して、令和以降の東北地方で発生した豪雨災害の紹介と地質の関連について発表していただきました。令和1年の丸森の災害と地質の関連性、令和3年や令和6年の最上川の氾濫災害(地形に関連?)などの事例を紹介されました。令和になってからでもこれほど多くの災害が発生していることに驚きました。 (会場参加:27名、WEB参加:10名) ![]() 話題提供者、写真上:大曾根氏、写真下:村上代表幹事 ![]() 閉会の挨拶をする菖蒲副支部長 |
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討論会終了後は場所を移し、意見交換会を行いました。場所は、「レトロバックページ」。参加者は14名。特別講演に関連した気象の話やそれぞれの現場でのことなどを話、充実した時間となったことと思います。最後は「伊達の一本締め」でお開きとしました。 総会~特別講演・討論会~意見交換会とご参加下さった皆様、誠にありがとうございました。 ![]() ![]() |
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