日本応用地質学会東北支部 JSEG TOHOKU
 

令和4年度 日本応用地質学会東北支部
第29回研究発表会 当日の様子
 一般社団法人 日本応用地質学会東北支部
令和4年7月29日(金) 10:00~

  新型コロナ感染症の感染拡大の影響が心配されましたが、オンラインとのハイブリッド形式にて、研究発表会を無事終了することができました。WEB配信での機器トラブルなどで、プログラムの進行が遅れるなど、特にWEB参加者にご迷惑をおかけした点がありました。改めてお詫び申し上げます。コロナ渦での開催ですので、会場では受付の際に検温・消毒を実施したほか、会場内では、演台前のパネル設置や席の間隔をあけるなど新型コロナ感染症対策を行いました。皆様のご協力に感謝いたします。
 参加者は、会場:42名、WEB:26名で合計68名でした。
 以下では、当日の様子を簡単に紹介したいと思います。
  
1.午前の部 (座長:秋山幹事、副座長:新山幹事) 10:00~11:50
 午前の部は、5編の発表がありました。若手による学生時代の研究(修論など)の成果の発表が中心です。グラファイトの起源に関する研究、放散虫化石年代に関する研究、上総層群のボーリングコアのテフラ層序の研究、清水平野における地震性隆起に関する研究、そしてジュラ系の地層の砕屑物組成に関する研究と非常に多岐にわたる内容でした。
 グラファイトの研究は、将来的な二酸化炭素の固定などに応用できるかどうかなど興味が尽きません。また、ほかの研究テーマについても、調査手法・研究精度の向上など詳細な解析が行われており今後の研究の発展が期待されます。
 
2.特別講演 13:00~14:30
 昨年は実施されなかった特別講演ですが、本年度は磐梯山噴火記念館の館長である佐藤公さんを迎え、「磐梯山と安達太良山の火山災害-災害の継承としての自然災害伝承碑と災害ジオツアー-」と題して講演していただきました。
 ブラタモリ(磐梯山)に出演した際の話から始まり、基礎知識としての磐梯山の噴火史そして安達太良火山の噴火史などを説明していただきました。これらを踏まえ、自然災害を風化させないための継承や教育について、継承碑の存在、災害ジオツアーの企画を例に佐藤さんの経験を解説されました。最後には、立体模型を使った火山泥流の実演をしました。非常に単純な実験ですが、一目でその状況を把握することができることに驚きました。
 発生頻度が少なくある意味遠いところの災害と思われがちな火山災害ですが、我々の生活圏に近いところに存在する火山災害について改めて学ぶことができました。また、その恐ろしさやその伝承の重要性について学ぶことができたと思います。
 
特別講演の最後におこなった火山泥流の実演の様子。
立体地形図上に水で溶いた絵具を流すだけのシンプルなもの。茶色(泥流色)ではなく黄色にしていることがミソとのことでした。立体地形図は持ち運び用にちょうど良いサイズで、いろいろな講演会での実演で利用しているらしいです。
 
3.午後の部 (座長:新田副支部長、副座長:千葉幹事) 14:40~16:00
 午後の部は、主に火山や地震に関する発表となりました。青麻山(蔵王町)の火山に関するもの、能登の群発地震に関する考察、岩手宮城内陸地震で発生した斜面崩壊のすべり面に関する研究、崩壊から14年たった荒戸沢地すべりの滑落崖の地質構造に関する研究の発表がありました。新しい知見や、これまでの研究成果のとりまとめ、新しい手法(ドローン)によるアプローチの例など興味深い内容でした。
 
  すべての発表の後には総合討論が行われました。時間が少なかったものの、当日の発表に関する質問や意見が交わされました。最後は新田副支部長の挨拶で閉会となりました。
 
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