日本応用地質学会東北支部 JSEG TOHOKU
 

 平成30年5月25日(金)
平成30年度 日本応用地質学会東北支部
総会・特別講演  当日の様子
 平成30年5月25日(金)に一般社団法人日本応用地質学会東北支部の平成30年度総会・特別講演会・討論会が無事終了いたしました。本年度の予算・活動計画、および役員人事が承認され、新たな年度のスタートを切ることができました。

 せんだいメディアテーク7F スタジオシアターにてPM1:30から定刻通り開会いたしました。
当日の簡単レポート以下にまとめました。
  
1.総会
 総会は出席数(参加人数:40名、有効委任状:62名)となり、「日本応用地質学会東北支部規定」第15条の正会員(支部会員数名175名[平成30年4月末日現在])の5分の1以上の出席となり、本総会は成立いたしました。

 議事次第に従い、平成29年度活動報告ならびに会計報告、平成30年度活動計画および予算案、本年度で改選される支部役員人事案が可決されました。今年度から高見支部長から遠田支部長に変わり、新たな体制で運営していきます。退任された高見前支部長には引き続き支部顧問として役員に残っていただき、東北支部活動に協力していただきます。
 本年度は、6月には応用地形学実習が、そして7月には支部研究発表会、9月下旬には岩盤分類講習を含む現地研修会、そして昨年好評だった「ジオさんぽ仙台」を11月に計画しております。そのほか、ワーキンググループなどでの活動も行っていきます。
 
        高見支部長による議事進行     三和代表幹事(右)と西会計担当幹事(左)
 
遠田新支部長の挨拶
2.特別講演 (参加者:55名)
 特別講演は、名古屋大学博物館の吉田英一教授をお招きし、「高レベル放射性廃棄物の地層処分(地層処分の仕組み・技術背景そして日本の地下環境について)」と題して講演していただきました。
 講演内容は、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する歴史的背景から、地層処分の基本的考え方、そして、日本の地質環境に関する内容の講演でした。地層処分というセンシティブな話題でしたが、技術的(地質学的、化学的)なアプローチから地層処分を考える、非常に興味深い内容でした。
 “オクロ天然原子炉”の発見から地層処分の考えが生まれお話から、地層処分の概要、多重システム(人工バリア、天然バリア)の内容とその役割について述べられました。他の地下環境の安定性の事例として、石油地下備蓄基地やLPG地下備蓄などの例を挙げられていました。
 後半には、日本の地下環境についてまとめている「日本列島と地質環境の長期安定性」(日本地質学会)や「科学的特性マップ」(経済産業省資源エネルギー庁)による日本の地盤特性について概要を説明していただきました。このような資料は、今後地層処分などを議論していく上での“たたき台”としての資料であり、これらをもとに今後も議論や知見の蓄積を行っていかなければならないとおっしゃっておりました。
 最後には、今後進めていくべきものとして、地下環境の知見の蓄積、技術の高度化、技術の継承・人材育成が必要であると述べられていました。特に技術の継承や人材育成については当学会などの関連学会の使命であるとおっしゃっておりました。
3.討論会 (参加者:53名)
 特別講演の後には討論会として、「応用地質学における魅力発信と社会貢献」と題して、これまでの支部活動の実績や、今後の活動方向性などについて話題提供・討論をいたしました(司会:橋本(智)幹事)。
 菖蒲副支部長からは、東北支部のこれまでのアウトリーチ活動について紹介がありました。これまでの地震等の災害関連WGに関する活動について紹介するとともに、会員以外の人への情報提供方法や他支部の活動を参考とするなど今後の支部活動をどのようにしていけば良いかという問題提起をしました。
 次に橋本顧問より、一派向けのアウトリーチ活動として昨年実施し好評を得た「ジオさんぽ仙台」の紹介がありました。本年度も11月に実施の予定とのことで、昨年の反省やアンケートからのご意見を参考に現在コースや日程について調整しているとのことでした。最終的にはこれらの活動についてガイドブックを出版できればとのことでした。
  
話題提供する菖蒲副支部長(左)と橋本(修)顧問(右)
 3人目として、村上幹事より会員への還元例として技術講習会の紹介をしました。技術講習会については、近年、応用地形講習会や岩盤分類講習会などを実施しており、好評を得ています。本年度についても、応用地形講習会や現地研修会での岩盤分類講習会などを予定しており、会員還元についても支部の活動として継続していきたいと述べました。さらに、今後の他の活動についても、新しい技術(ドローンなど)を取り入れながら実施していきたいとのことでした。
 質疑応答では、“特別講演などはその内容によっては一般にも公開しても良いのでは?”や、“興味を持ってもらうためのアピールが必要では?”など、今後の活動の参考なるご意見をいただきました。
 
話題提供する村上幹事
4.意見交換会
 総会・特別講演終了後場所を移動し、スマイルホテル内のシュルブール仙台店にて意見交換会を行いました(参加者35名)。特別講演をしていただいた吉田先生にもご参加いただきました。また、この本総会で退任された高見前支部長からの挨拶や、新たな役員として参加することになった原幹事からの挨拶などがありました。終始和やかな雰囲気で参加者同士で交流を深めていました。最後には村上幹事による「伊達の一本締め」で会を締めました。
  
吉田先生からのご挨拶(左)と村上幹事による伊達の一本締め(右)

 

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