日本応用地質学会東北支部 JSEG TOHOKU
 
平成28年度 支部総会・特別講演会・討論会
当日の様子
 
 日本応用地質学会東北支部の平成28年度総会・特別講演会・討論会が無事終了いたしました。本年度の予算・活動計画、役員人事が承認され、新たな年度のスタートを切ることができました。

 せんだいメディアテーク7F スタジオシアターにてPM1:30から定刻通り開始されました。
以下は当日の簡単なレポートです。

  
1. 支部総会(PM1:30~PM2:00)

 総会は出席数(参加人数:44名、委任状:67名)となり、「日本応用地質学会東北支部規定」第15条の正会員(支部会員数169名[平成27年3月末日現在])の5分の1以上の出席となり、本総会は成立いたしました。

 議事次第に従い、平成27年度活動報告ならびに会計報告、平成28年度活動計画および予算案、支部役員人事案が可決されました。本年度は、6月には昨年好評だった応用地形学実習が、そして10月には本部研究発表会が東北(仙台)で行われることになっております。本部研究発表会では、震災復興関連の足跡をたどる現地研修会のほか、仙台市内の地形・地質等について散策するミニ巡検を計画をしております。

  

2. 特別講演(PM2:15~PM3:45)

 特別講演として「地質と地盤:合理的な判断はできるのか」というタイトルで、東北学院大学工学部環境建設工学科教授の飛田善雄氏にご講演頂きました(参加人数65名)。

 講演は、地盤力学・工学がきれいな力学ではないことなどの問題点に触れ、それを摘要するには現場に立って問題のありかを感じることやスケールを変えて考えるなど地質分野と同じ”習性”があることなどを述べられた。地質または地盤に内包する不確実性があることを念頭に置いて問題解決行っていかなければならないとのことでした。具体的な例として、”地質屋”と”地盤屋”の共同作業を行った仙台市の造成宅地の被害調査と対策工法の決定に関する実施例について紹介して頂きました。

 講演の後半部は、東日本大震災(災害、復興、対策など)を経験して感じた判断に関する問題点や状況に応じた対策・対応が できていないことなどについて”リスク”の観点から考察されました。そして、講演タイトルにも入っている”合理的判断”に関して考えをまとめ、”ヒトは合理的判断ができない”ことへの警鐘と、合理的判断を促すためにはどうすべきかということを述べられていました。

 地盤分野の問題点から、地質屋との共通点および共同作業、そして合理的判断に関する考えなど、非常に興味深い講演でした。最後の方に、合理的判断を促すためには時間をかけとにかく信頼してもらうことが重要だとおっしゃっていたことが印象的でした。


3. 討論会(PM3:45~PM4:45)

 特別講演の後には討論会として、3編の話題提供をいただきました(参加人数66名)。最初に東日本大震災での仙台市内の宅地地盤災害について、緑ヶ丘4丁目および3丁目付近を例に村上幹事から話題を提供がありました。

 高見支部長からは、熊本地震緊急報告として、本部調査団として熊本地震に関連した斜面災害の様子を紹介し、さらに遠田副支部長から、熊本地震の地表地震断層調査結果の概要についての報告がありました。

 特別講演に関連した宅地地盤の対策・復興状況や、まだ余震が心配な熊本地震災害の生々しい現況を知ることができ、改めて地震怖さ等を考えさせられ、我々がどのように貢献していけるかを考えさせられました。



4. 意見交換会(PM5:00~7:00)

 討論会終了後には、スマイルホテル内のシェルブール仙台店に場所を移し、懇親会を行いました。懇親会の出席者は33名と、多くの参加をいただきました。

 
 

リンク  日本応用地質学会本部北海道支部中部支部北陸支部関西支部中国四国支部九州支部