平成27年度 第23回支部研究発表会
当日の様子(レポート)

平成27年7月24日(金)

一般社団法人 日本応用地質学会 東北支部

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 日本応用地質学会東北支部の平成27年度第23回支部研究発表会が無事終了いたしました。非常に蒸し暑い中参加いただきありがとうございました!
 応用地質学会ならではの多岐にわたる発表内容、また活発な議論や建設的な意見が飛び交う有意義な時間だったのではないでしょうか。参加人数も55人を数え、盛況のうちに終了することができました。
以下は当日の簡単なレポートです。

  
  高見支部長の挨拶

1.研究発表(午前部、午後の部)

 研究発表は若手枠(卒論、修論などでもOK)の発表2編を含む計、11編の発表がありました。
 若手枠では、熱ルミネッセンス(TL)年代測定による岩屑なだれ堆積物の供給源推定事例や蔵王火山噴出物の研究事例を発表していただきました。
 一般の部では岩石学的研究ダム再開発において既往調査結果を有効に用いた岩盤評価の事例、法面の変形事例など岩盤に関するもの、また、継続的に研究されている宮城県県南の地下水塩水化について発表がありました。、そして、松島WGにも関係する松島粘土に関する研究や松島周辺の第三系に関するレビューの発表がありました。そのほかにも、長野県北部地震など最近の地震断層分布についての研究や福島第1原発事故による汚染地盤の除染に関する地道な研究成果などの発表がありました。

  

2.特別講演(PM1:00〜2:30)
「松島湾を含む仙台平野・石巻平野の地形変遷」
  松本 秀明 氏
  (東北学院大学教授 教養学部地域構想学科 地形学) 


   

 特別講演は、東北学院大学の松本先生に仙台平野および石巻平野およびその両方に挟まれている松島湾の地形形成に関する知見をご紹介いただきました。
 松島湾については、各島々の特徴や、現在の地形に至るまでの海面上昇による松島の地形変遷などについてご紹介いただきました。また、松島の景観は現在の海水準だからこその絶景であり、今よりも高くも低くても得られなかった奇跡であるとおっしゃっておりました。
 仙台平野や石巻平野に関しては、海水準の変動と、陸側からの土砂の供給のバランスからみた海岸線の変遷をわかりやすく解説していただきました。また、ハンドオーガーによる旧河道の堆積物調査により判明した過去の大規模洪水の存在についてもご紹介いただきました。さらに震災前から行われていた津波堆積物の分布の研究についても触れられました。

 石巻平野・仙台平野の地形変遷から過去の大規模自然災害に至る地形地質の変遷について知ることができ非常に有意義な時間だったと思います。

3.討論会(PM4:20〜4:40)

 討論会に先立ち支部役員である村上氏から、支部で推し進めている松島プロジェクトについての経過報告をしていただきました。現在までの情報の整理や、応用地質学会会長である長谷川先生が行ったボーリングデータなどの新しいデータについてお話しいただきました。今後は、露頭分布のデータ収集、地質構造の検証、そして最終的にはガイドブックの作成などを目標に活動していくとのことでした。


4.懇親会(PM5:00〜 )


討論会終了後には、スマイルホテル内のシェルブール仙台店に場所を移し、懇親会を行いました。懇親会の出席者は25名と、多くの参加をいただきました。

  


       以 上