日本応用地質学会東北支部 JSEG TOHOKU
 

 平成29年4月18日(火)
仙台市宮城野区燕沢 国道4号線切土法面
法面観察会実施報告

 去る平成29年4月18日に、仙台市宮城野区燕沢の国道4号線拡幅工事現場の切土のり面大露頭の観察会を実施いたしました。長町利府断層が近傍を横断する大露頭であり、現場が休工中というタイミングに恵まれ、実施する運びとなりました。
 観察を実施するにあたって、国土交通省 仙台河川国道事務所 道路管理第二課 建設監督官の佐藤様には、当日の現場での案内等便宜を図っていただきました。ここにお礼申し上げます。


  
概要

・調査目的: 長町利府線の近傍を横断する切土のり面大露頭の観察
・実施時期: 平成29年4月18日(火) PM1:30~3:00
・調査場所: 国道4号線宮城野区燕沢の仙台拡幅工事現場
・参加者 : 11名(支部役員をはじめとする有志)
・内  容: 法面の観察、現地でのディスカッション。
・協  力: 国土交通省 仙台河川国道事務所

 
国道4号線 下り線側法面(クリックすると拡大します)


国道4号線 上り線側法面(クリックすると拡大します)
燕沢国道4号線切土法面について

 観察対象である国道4号線の切土のり面は、長町利府断層が想定されている地形変換点から西側の丘陵地形に位置する。断層方向に対して、横断する形状となるこの法面は、長町利府断層本体が想定されているジャストポイント付近は通過しないものの、副断層や地層の変位、地層の傾動などが観察されることが期待されました。
 
ドローンによる撮影(クリックすると拡大します)
  実際の観察では、七北田層の砂岩凝灰岩の互層が東側へ緩く傾動する様子や、露頭西側で断層とみられる不連続面を境に急激に構造が変化している状況が認められました。また、活構造であるかは不明ですが、前述の不連続面を含む数条の小断層を確認することができました。
 露頭そのものは前日の降雨のせいもあり、細部の確認をすることが難しい状況でしたが、これだけ大きな露頭を宅地密集地で確認する機会はそうそうあるものではなく、非常に有意義でありました。それとともに、このような露頭の詳細な観察およびデータとしての保存などの必要性を強く感じました。

  
観察状況 (小段にも上がることができ、上部の状況も観察できました)
 

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